コラム

私はここにいるよ…あなたの頬に落ちる雨は私の涙

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私はここにいるよ…あなたの頬に落ちる雨は私の涙

「涙雨」をご存知ですか?

天気予報では晴れの予報だったのに、ペットとのお別れの瞬間、なぜか突然の雨……。

ペットの持つ力って、とても不思議です。

大好きな飼い主さんとの別れが悲しくて、雨を降らせることがあるようです。これは涙雨と呼ばれ、ペットが流す心の涙だそうです。

ペット火葬業を営む私は、涙雨をはじめ、不思議な出来事に何度か遭遇しました。

言葉を話せないから、もう飼い主さんに触れられないから……ペットはさまざまな方法で私たちにメッセージを伝えようとするのです。

涙雨のことや、ご家族様が教えてくださったエピソードをいくつか紹介します。

ペットとお別れの瞬間の、あるいは亡くなった後の、不思議な体験たち。

それらはすべて、「私はここにいるよ」というペットからのメッセージなのでしょう。

お別れのときに涙雨を降らせる

ペットを送り出そうとしているとき、涙雨に遭遇することがあります。

たとえば、気の強い猫ちゃんのお見送りのとき。

それまで晴れていたのに、突然嵐のような雨が降ってきたのです。私はすぐに、猫ちゃんが別れを嫌がっていると察しました。「涙雨ですね」とご家族様に伝えると、「大丈夫だよ、いつまでもあなたのことを覚えているから」と動かなくなったペットに声をかけていました。

その日の夜、空には満天の星が出ていました。

また、ご家族様と大の仲良しだったわんちゃんのお話。

お別れの時は晴れていたのに、家族が家に戻った途端、滝のような大雨が……。きっと、わんちゃんがお空に向かって「僕を連れていかないで」と反抗していたのでしょう。

ご家族様の供養もあり、翌日はとても澄んだ青空でした。「きっとあの子の気持ちが落ち着いたのね」とご家族様も安心していらっしゃいました。

離れた場所に魂を飛ばす

ある愛犬ちゃんのお話です。

ペットは4歳の娘さんと仲が良かったそうです。

もともと高齢でしたが、娘さんが幼稚園に行っている間に危篤状態に。残念ながら、帰宅を待たず息を引き取りました。

意気消沈しながら幼稚園のお迎えにいったところ、先生が娘さんの様子を教えてくれたそうです。

「『冷たくなっちゃった、動かなくなっちゃった』と急に言い出しまして……。何のことか聞いたら、ペットのことだと言って泣き出したんです」

きっと亡くなる間際に、別れを伝えに飛んで行ったのでしょうね。

夢に出てくる

ある愛猫ちゃんのお話です。

ペットを亡くして2年……それまで一度も夢にペットが現れることはなかったそうです。

しかしある日、愛猫が夢に出てきました。こちらに寄ってきて、うれしそうに一度だけ鳴いて、すぐに背を向けて消えたそうです。

その日は結婚式当日。そっとお祝いをしに来てくれたのかもしれません。

ある愛犬ちゃんのお話です。

ある日、10年以上前に他界した犬が夢の中に出てきて、こちらに向かって吠えていたそうです。まるで何かを伝えたがっている様子だったといいます。

目覚めていつものように家を出ると、出勤途中で事故に……。幸い命に別状はありませんでしたが、亡くなった愛犬が危険を察知して教えに来てくれたのだろうと、天国の愛犬に思いを馳せたそうです。

自分に関係のあるモノを残す

あるインコちゃんのお話です。

何年も一緒に過ごしたインコを亡くしてから、ちょうど一年が経ったとき。

ふと布団の上を見ると、インコの羽が一本落ちていたそうです。

亡くなって一年も経つのに、毎日掃除しているはずなのに、いったいどこから……。

それ以来、落ち込んで帰宅した日には必ずどこかで羽が見つかるそうです。きっと、亡くなった子が「大丈夫、いつも見守っているよ」とメッセージを送っているのかもしれませんね。

会いに来る

ある愛犬ちゃんのお話です。

就寝中、布団にもぐってくる犬の気配を感じたそうです。手を伸ばしてみると、あたたかい毛並みに触れました。手を差し出すと前足を乗せてきたので、やさしく握り返して、そのまま再び眠りに就いたそうです。

「夢かと思ったのですが、確かにあたたかかった」

目覚めても、愛犬のぬくもりや感触はしっかり手に残っていたそうです。

メッセージ性のあるものを残す

ある愛犬ちゃんのお話です。

愛犬が虹の橋を渡った後、切り花をお供えしていました。

ほとんどが一週間程度で枯れてきたものの、一輪だけずっと美しく咲き続けている花がありました。

「そういえば、家に飾っていたときにあの子が好きだったお花」

花言葉を調べてみると、「感謝」だったそうです。

まとめ

私たちと心で深くつながる、かけがえのないペット。

息を引き取る瞬間も、体がなくなった後も、「私はここにいるよ」とさまざまな方法でメッセージを送ってくれます。

今、ペットロスに苦しんでいる方は、日常の中にペットからのメッセージが紛れていないか探してみてください。

ペットはいつでも飼い主さんを見守っています。魂の存在になっても、絆は永遠に途切れることはありません。

それでも、「メッセージが見当たらない」という方もいるでしょう。そんなときは空を見上げてみてください。さっきまで降っていた雨は、ペットの面影を探す飼い主さんに自分の存在を教えるための、あるいはペットロスに苦しむ飼い主さんを包むための「涙雨」だったのかもしれません。

「私はここにいるよ」

お空に昇っても、ペットの心はいつでもあなたの近くにあります。

雨が長く続くほど、土砂降りであればあるほど……雨が上がった空には、きっときれいな虹がかかるでしょう。

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